ルームシェア経験者というか現在進行系でルームシェアをしている。家賃が半分になったり辛い時に相談相手になってくれたり、鍋パーティーが楽しかったりとメリットはたくさんある。しかし、どんなことにでも良い面と悪い面があるもので、ルームシェアにもデメリットはあり、ひいてはパートナーとのトラブルに発展することもある。
せっかく一緒に住むと決めた相手同士、トラブルは極力避けて、より良いルームシェアライフを送りたいものだ。そのためには、ルームシェアをする前、あるいはしている最中でも良いが、押さえておくべきポイントをしっかりと理解しておかなければならない。
今回はより良いルームシェアを送るためのポイントを、ありがちなトラブル&その解決法という形で紹介していく。ありがちなトラブル&解決法は、かなり具体的に紹介しているので、ぜひ、より良いルームシェアライフに役立ててほしい。
1. ルームシェアをする前の段階で気をつけておきたいこと
まずは具体的なトラブルの事例を見ていく前に、ルームシェアをする前段階で注意しておきたい点を簡単に押さえておきたい。一つは、「グイグイ誘われて流されてルームシェアをしてしまう」ケースだ。
片方がルームシェアがしたくて、友人や知人を誘う。その友人はあまり乗り気ではないが、「ルームシェアかぁ……。なんかよくわからんけど、楽しそうだし、一度物件だけ見に行ってみるか」ってな感じで不動産屋に一緒に行ってしまう。こうなると、1対2の構図ができあがってしまう。つまり、部屋を契約したい派(パートナーと不動産屋)とあまり乗り気ではない派である。この構図が出来上がると、中々断りにくい空気になってしまい、流れでルームシェアがスタートしてしまうというケースもあるだろう。
スタートがこんな形だと、いざルームシェアが始まったときに「こんなはずじゃなかった。一人暮らしに戻りたい……」的な失敗に陥りがちなので、まずは本当にルームシェアをしたいのかどうか、今回紹介するデメリットなども勘案して決めるのが重要だ。
2.具体的なトラブルとその解決法
より良いルームシェアライフを送るには、事前にありがちなトラブルとその対処法を知っておくことが大切。さっそく、関係がこじれる最大の理由ともいえる「金銭トラブル」から見ていきたい。
●お金のトラブル
お金の切れ目が縁の切れ目ということわざがあるくらい、金銭関係は厄介なトラブルに発展ししやすい。お金関係で考えておかなければならないこと、あるいは決めておくべき事柄を整理した。
家賃と光熱費は半分ずつ?
あまりルールでガチガチにすると、かえって息苦しくなってしまうが、家賃や光熱費の負担割合ぐらいは事前に決めておくのが良いだろう。大抵は家賃も光熱費も半々というケースだが、部屋の使用率、あるいはパートナーの部屋に転がり込むパターンなどでは、6対4、7対3といった比率になることもあるだろう。その際、注意したいのが、なぜその比率なのか、互いが納得することである。互いが納得する手段としては、細かいかも知れないが、部屋の占有率から家賃を割り出すといったものもある。まぁいずれにせよ、どちらも得心行くまで話し合うのが肝要だ。
そして、家賃や光熱費は毎月、どちらか片方の口座から引き落とされることになる。だから、もう片方のパートナーもきちんとその日にちを守り、家賃を支払うことが大切だ。遅れると、お金の問題だけに関係が悪くなるきっかけにもなってしまう。
また、光熱費に関しては「今月はこれだけかかりました」と通帳なり請求書なりで互いに正確な金額を知っておこう。片方が知らないと「もしかして多く払っているのでは?」なんていらぬ疑念を抱いてしまうこともある。いずれにせよ、お金関係はきちんとクリーンにしておくのが良いだろう。
お金の貸し借り
これも関係に亀裂が入るきっかけになる。よほどのことがない限り、貸し借りはやめておいた方が無難だ。無論、片方の身内が入院した、本人が事故を起こして怪我をして急に入り用になった、などの緊急事態には貸すのが人情というものだ。まぁそれが嘘のパターンもなくはない。が、身内を引き合いに出すなどの嘘を付く人間とは遅かれ早かれルームシェアできない。嘘と分かったときにはパートナーを解消した方が良いだろう。
逆に奢り、奢られというのは悪くない気がする。片方がお金がないときは「しょーがないなぁー!」と言って奢ってあげる。逆も然り。そうしたことで絆が深まることもあるはず。
●掃除の問題
掃除は面倒だ。掃除好きがパートナーであればいいが、都合よくそんなケースは中々ない。とりわけ、バスルーム、トイレ、洗面所、キッチンなどの水回りは汚れやすく、そして掃除するのも面倒な箇所。この辺りの掃除に関しては①当番制にする②互いに気づいたときにやる、という二つの選択肢がある。私はどちらも経験し、現在は互いが気づいたときにやる方法を採用している。まずは当番制のメリット・デメリットを簡単に掴んでおきたい。
当番制のメリット・デメリット
互いが気づいたときにやるパターンだと、偏りが出てくる可能性がある。片方が自堕落だと片方ばかりが掃除することになって、不平不満が出てくるわけだ。その点、当番制で完全にルール化してしまえば、「いつも俺だけ掃除してる……」なんて不満がなくなる。
デメリットは義務感が出てくる点だ。これがあると、やらされ仕事なので「今日は掃除の日か。面倒くせぇ……」という思考回路になりやすい。もっと言えば、パートナーも「当番制なのだから、やってもらって当たり前」と掃除してもらったことへの感謝の念が薄れがち。ルール化するとこうしたデメリットがあるのだ。その点、流動的、つまり互いが気づいたときにやるパターンだと、これらのデメリットがメリットに変わる。
互いが気づいたときにやるメリット・デメリット
やらされ感がない。むしろ、進んで自分でやっているため「あいつ、喜ぶだろうな」なんて前向きな気持ちで取り組める。そして、相手も「うわ、掃除してくれたんだ。ありがてぇ」と感謝の気持ちが沸きやすい。当番制にはない、気持ちの上でのメリットといえるだろう。
デメリットは、上で紹介した通り、偏りの可能性である。
掃除トラブルを回避する方法
どちらのパターンが良いということはないだろう。その二人の関係性や性格によるところが大きい。だから二人に合った方をチョイスしてほしい。
いずれにせよ、掃除関連でトラブルになる元は、「うっわ。汚ねぇ」というシンプルな感情である。だから、どちらのパターンを選択するにしろ、大切なのは、「極力汚さないように、いつも心がけておく」ことである。根底にあるのは、「互いに気持ちよく使おうぜ」という気持ちだ。いずれのパターンにしろ、綺麗に使おうという心がけ、綺麗にしてくれたときの感謝、つまり相手を慮る気持ちが最も大切というわけだ。
●騒音のトラブル
気をつけなければならないのは「音楽」と「目覚まし時計」である。不思議とテレビの音であれば隣の部屋から多少漏れ聞こえていても、同じ部屋で見ていても、あんまり気にならない。が、音楽の場合は、電車の中や飲食店での携帯電話がうるさく感じるの同様に何だか騒音として認識してしまうのだ。
解決策としては、一人のときは別にいいが、二人でいるときはヘッドホンをするというのがお手軽だろう。それが嫌だ!という方は、「これぐらいならいい?」と互いに話し合ってボリュームの妥協点を探ることだ。また、音楽がうるさいと感じるパートナーであれば、聴く前に「音楽かけてもいい?」と聞くのも中々有効である。この一言があるのとないのとでは、パートナーの感じ方が違う。
次に目覚まし時計。生活リズムが違うと他人の目覚まし時計で起こされることがある。起こされた方はめちゃくちゃに不快である。できれば、スマホのバイブレーション機能を使うことをおすすめする。それでも同部屋であれば起きてしまうこともあるが、「気を使っている」ということが伝わるはずだ。バイブレーション機能で起きるのがしんどかったら、なるべく早く止めることを心がけよう。いつまで経っても鳴り続ける目覚ましは不快以外の何物でもない。
まぁ、最も良いのは、同じ時間に起きることだ。私はそうしている。そのため、多少早めに起きているのだが、朝の時間に余裕があると、仕事の下準備ができたり、余裕を持って出勤できたりとメリットも多い。
●においのトラブル
風呂に入らず臭いのは論外だ。風呂にきちんと入れとしか言いようがない。見落としがちなのが、柔軟剤や部屋のフレグランス系である。柔軟剤にも人それぞれの好みがある。共有している場合は、互いに好みのものを話し合い、折り合わなかったら色々なものを試してみて妥協点を探る。あるいは、洗濯は別々にすることとし、柔軟剤も別々に使う。
部屋のフレグランス系は、それぞれの部屋があっても漏れにおうことがある。使いたい場合は「これ使いたいんだけどいいかな?」と一言言っておくと心象が良い。どうしてもにおいが気になる場合は相手に伝えたほうが良い。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いのことわざ通り、不満を貯め込むことで他の諸々のことにまで悪影響を及ぼしかねない。ただ、「良い匂いっちゃ良い匂いなんだけど、ちょっときつくない?」などと、優しい言い方が好ましいだろう。
●おならのトラブル
相手とのトラブルというか、自分に起こりうるトラブルといった感じではあるが、大切なので書いておきたい。「おならてwwww」と笑うかもしれないが、これは私にとってはかなりの重要ポイントなのである。
おならは臭い。だが、そんなことはどうでもいい。おならは恥ずかしい。これは看過できない。だから我慢してしまう。我慢している最中はおならのことが気にかかり、他のことに集中できなかったり楽しめなかったりする。それに、おならをしたいときにできないと、一日中お腹の調子が悪くなったり、ともすれば体調が悪くなってしまい、生活に支障をきたすこともある。当たり前のことだが、おならは極力我慢すべきではないのである。
しかし、女性であればなおさら、ルームメイトの前でおならはできない。おならし合える関係であれば良いが、中々そこまで踏み込めない。だから、おならができるポイントを知っておくのが大切だ。
自分の部屋などのプライベート空間があれば、そこですればいい。ない場合は、①トイレでする②相手が寝た時③相手がまだ起き出さない朝の時間④相手がでかけているとき⑤何かの用事を見つけてベランダに出る⑥自分の外出時、などがおならポイントとなるだろう。それでもうまく放出できないと、不快感や張りを感じるいわゆるガス溜まりのお腹になってしまう。そんなときのために「ガスピタン」的な整腸薬を買っておくのも良い。お守り的効果もあるだろう。
いずれにせよ、おならを侮らないことだ。そしてできるときにしておく努力も大切だ。面倒くさいと思うかもしれないが、気持ちよく暮らすための努力と思って積極的にやっていきたい。
●水、電気の節約に関するトラブル
長くなってきてしまったので、ここからは端的に紹介していきたい。
相手が水をやたらと使っていたり、電気をつけっぱなしにしているとイライラの原因になる。しかし、下手に注意すると関係悪化の原因になる。まず心構えとして「電気つけっぱにしても水を多少多く使っても、料金は跳ね上がりはしない」と思っておこう。それでも、これは言わねばならんとなったら、私は、飲んだときにでも「全然いいんだけどさ、いや、水使いすぎじゃねwww」みたいな感じで冗談めかして伝えている。その後に必ず「細かいかwwすまんwww。お前もなんかない?何でも言ってくれ」と伝えるようにしている。これで、イライラを溜め込まず、関係悪化も極力避けられるはずだ。
●知らない友人or知らない異性を部屋によぶときのトラブル
知らない友人と遅くまではしゃいでいたり、恋人とイチャイチャしている声が聞こえてくるとトラブルの原因になる。①よぶときは事前によんでいいか確認する②よんでも極力うるさくしない③「うるさくてごめんな」と後で謝っておく、などが有効だ。
他にもある色々な問題
ルームシェアをしていると色々なシーンできになるところが出てくる。ここからは箇条書きで列挙していく。
・自分のものが食べられた→「食うなやwww」と冗談めかして伝える。
・勝手にものを使われた→勝手に使わないことをルール化。
・シャンプーや洗顔料がめっちゃ減ってる……。→それぞれ自分のものを買う。
・洗い物片付けない→食べたら洗うをルール化。
・SNSに無断で載せられた→プライバシーに関わることなので、きちんと伝える。「私や私のものが写っているものは勝手にアップしないでほしい」
・マルチに誘われた→生暖かく見守るか、しつこく、度が過ぎるようならパートナー解消も視野に。
・出ていくことを急に告げられた→出ていくときは、なるべく早く伝えるようにしようなと互いに共有しておく。
さいごに、それでもルームシェアは良いものだ。
さいごに「ルールの細分化」についてと、ルームシェアのメリットについて触れておきたい。ルームシェア関連のサイトを見ると、掃除、洗濯、ゴミ出し、料理、あるいは就寝・起床時間までルール化すべきという意見を目にする。無論、ルール化しておいた方が良い部分はあるし、明文化することでメリハリのある生活が送れるというのもあるかもしれない。が、個人的には息苦しすぎる。そして先述した義務感、やらされ仕事感がでてきてしまう。すると日々の生活が楽しくなくなってしまう。
ガチガチにルールで縛るよりも、いくらかファジーな部分を残しておいて、そこは互いに協力し合うというのが良いのではないだろうか。その根底には、互いを尊重し合う気持ち(できれば相手をリスペクトまでいけると良い)が欠かせない。むしろ、この気持が両者にあれば他はなあなあでも、どうとでもなる。
また、ルームシェアをしているからといって「二人で一つ」と誤解しないことも大切だ。二人で生活をしていると相手を頼ったり、依存してしまったりすることがある。これが相手の負担になることがある。あくまで、個人は個人。部屋は共有しているが、生活は自立していなければならないのだ。
そして、どんなに仲の良い相手だって、一緒に生活していれば、少なからず不平不満は出てくるというのを念頭に置いておくのも重要。さらに、不平不満の吐き出し方も知っておこう。友達に愚痴ってみる、ルームシェアに関する掲示板で同じような不満を持っている人を見つけて、自分だけじゃないんだと認識する、はたまたスポーツなど全く別の方法で解消するなど、どんな方法でも良い。吐き出し口がないと溜まりに溜まって一気に爆発、ルームシェア解消なんてことにもなりかねない。溜め込まないようにしよう。
ルームシェアのトラブルに関する記事だけに、悪い面が多くなってしまったが、もちろん、ルームシェアには多くの良い面がある。家賃負担の軽減は言わずもがな、寂しくない(一人暮らしだと無性に寂しくなる瞬間がある)、鍋やタコパが楽しい、家で作業する人は適度な緊張感があるのでダラダラが少なくなる、価値観が違う人と接することで視野が広がる、などなど。
ルームシェアで得た経験は、より良い人間関係を築くための糧になるし、家庭を持った時にも活きてくるだろう。ルームシェアは、一人暮らしでは体験できない貴重な経験が積める。これまでルームシェアをしてきて、そして今現在もしていて、心からそう感じる。
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