「腹が減った…。財布の中身は寂しい。でも、腹の底から満腹になりたい!」
全ての食いしん坊が抱える、この切実で根源的な欲望。そんな時、我々の前に救世主のように現れるのが、**「デカ盛り弁当」**という名の、愛すべきカロリーの塊だ。
この記事は、物価高騰の荒波にも負けず、今日も学生、サラリーマン、そして夢追う若者たちの胃袋を満たし続ける、東京都内に存在するデカ盛りの聖地を巡る、究極のグルメガイドである。
蓋が閉まらないほどの唐揚げ、総重量1kg超えのドカ盛り丼、250円で買える奇跡の激安弁当…。
そこにあるのは、単なる大盛りではない。採算度外視で「腹一杯になってほしい」と願う、店主たちの熱い魂そのものだ。
今回は、数あるデカ盛り弁当店の中から、伝説の店から新進気鋭の店までを厳選。**「デカ盛り度」「コスパ」「中毒性」**という3つの観点から、その魅力を徹底解剖していく。
この記事を読み終えた時、あなたはもう「今日の昼飯、何にしよう…」などと迷うことはない。ただ、己の胃袋の限界と向き合うのみ。さあ、腹を空かせて、東京デカ盛り弁当の世界へ旅立とう。
【城北エリアの伝説】板橋・豊島・北区の絶対王者たち
このエリアは、古くからの商店街が多く、学生や職人たちの胃袋を支えてきたデカ盛りの激戦区だ。
1. つるや(新板橋)- 340円の幸福。板橋が誇るデカ盛り界のレジェンド
板橋にかつて存在した伝説のデカ盛り店「大黒屋」の魂を受け継ぐかのように、圧倒的なコスパで君臨するのが、ここ「つるや」だ。昼時には常に行列が絶えないが、熟練のオペレーションによる回転の速さも魅力の一つ。
- 看板メニュー: のり唐揚弁当(340円)
もはや価格設定がバグっているとしか思えない、奇跡の弁当。ご飯の上におかかと海苔が敷かれ、その上には、蓋を閉める気など毛頭ないと言わんばかりの巨大な唐揚げが3〜4個ゴロリと鎮座する。この唐揚げが、衣でかさ増ししたタイプではなく、ニンニク醤油がガツンと効いた、肉々しい本物なのが素晴らしい。脇を固めるきんぴらごぼうや煮物も、手作りの優しい味わいだ。 - 裏の顔: 実はカレーも絶品。「唐揚げカレー(420円)」や、ゆで卵が乗った「エンムスカレー(420円)」は、もはや専門店レベルのクオリティ。
- 攻略法: 事前に電話注文しておくと、行列をスキップして受け取れる。
【店舗情報】
- 場所: 東京都板橋区板橋1-42-9(新板橋駅、下板橋駅から徒歩圏内)
- 電話番号: 03-3962-5038
- 備考: 大塚、庚申塚、板橋本町にも系列店あり。
2. わせだの弁当屋(早稲田)- 早大生のソウルフード「わせ弁」
「わせ弁」の愛称で、何世代にもわたる早稲田の学生たちの胃袋と青春を支えてきた、言わずと知れた聖地。その魅力は、自分好みにカスタマイズできる中毒性の高い注文システムにある。
- 看板メニュー: 茄子カラ弁当(350円)
甘辛い味噌で炒めた茄子と、ジューシーな唐揚げの組み合わせが絶妙。これだけでも十分なボリュームだが、真価はここから。 - 注文の呪文: ラーメン二郎さながらの「マシ」「マシマシ」コールが可能。**ご飯大盛り(+50円)に加え、「マシ」1回につき唐揚げが2個(+50円)**追加される。つまり、「茄子カラ弁当、大盛りマシマシ」と唱えれば、500円で唐揚げが4個も増量された、夢のような弁当が完成する。
- もう一つの名物: 250円という破格の「たぬき丼」も、金欠の学生にとっては神のような存在だ。
【店舗情報】
- 場所: 東京都新宿区早稲田鶴巻町533
- 電話番号: 03-3203-2734
【城東エリアの怪物】江東・足立・台東のヘビー級チャンピオン
再開発が進む一方で、昔ながらの人情と活気が残る城東エリア。デカ盛りのスケールもまた、常識を破壊するレベルだ。
3. キッチンDIVE(亀戸)- 24時間営業のデカ盛りワンダーランド
大食いYoutuberやメディアへの露出で、今や全国区の知名度を誇るデカ盛り界のテーマパーク。その魅力は、見た目のインパクトと、常識を疑うほどの価格設定にある。
- 名物①:1キロ弁当(555円〜)
総重量1kgを超える、もはや弁当箱というより「飼い葉桶」のようなビジュアル。巨大なチキンカツやハンバーグが白米の山を覆い尽くす。 - 名物②:200円弁当
「利益はどこから?」と誰もが首を傾げる、採算度外視の激安弁当。おかずはシンプルだが、しっかりと満腹になれる。この弁当に救われている人は数知れない。 - 名物③:ドデカおにぎり
子供の頭ほどもある巨大なおにぎりは、まさに圧巻の一言。 - 味の評価: 見た目だけでなく、味も確か。特に、甘辛いタレが染みたチキンカツや、昔ながらのナポリタンはファンが多い。
【店舗情報】
- 場所: 東京都江東区亀戸6-58-15 ランドシー亀戸
- 営業時間: 驚異の24時間営業
4. かわせ(亀戸)- 亀戸の母が作る、愛情盛り惣菜弁当
キッチンDIVEと同じ亀戸にありながら、対照的な魅力を持つのが、この「かわせ」だ。商店街に佇む、夫婦で営む昔ながらのお惣菜屋さん。その真髄は、注文を受けてから温かいご飯とおかずを詰めてくれる、愛情たっぷりの「まんぷく弁当」にある。
- 看板メニュー: まんぷく弁当(540円)
その日によって変わる数種類の惣菜(麻婆豆腐、生姜焼き、煮物など)から2品、揚げ物(唐揚げ、コロッケなど)から2品を選べるシステム。これが、ご飯が見えなくなるほど、容器がはちきれんばかりに盛り付けられる。手作りならではの温かい味わいが、胃袋と心に染み渡る。 - 狙い目の曜日: 水曜と土曜は、パンパンに詰まった惣菜パックが「よりどり3つで540円」という特売日。これと白米さえあれば、2〜3食は余裕で乗り切れる。
【店舗情報】
- 場所: 東京都江東区亀戸5-21-13 シャトー八幡 1F
- 電話番号: 03-3684-9530
5. ダイナマイトキッチン(足立区鹿浜)- その名に偽りなし!唐揚げの爆薬庫
そのパワフルな店名に違わぬ、まさに爆発的なボリュームを誇る弁当店。最寄り駅からは遠く、決してアクセスが良いとは言えない立地ながら、その噂を聞きつけた猛者たちが車やバイクで集結する。
- 看板メニュー: デカ唐揚げ弁当(640円)
注文を受けてから高温の油で一気に揚げる、ザクザク食感の巨大な唐揚げが、デフォルトで10個も入っている。一つ一つが子供の拳ほどの大きさで、ジューシーな肉汁が溢れ出す。とても一度では食べきれない量なので、昼食、夕食、晩酌のお供と、三段階で楽しむのが正解だ。 - 豊富なバリエーション: 「デカタルタル」「デカ明太マヨ」など、味のバリエーションも豊富で、飽きさせない工夫が嬉しい。
【店舗情報】
- 場所: 東京都足立区鹿浜2-25-1
- 電話番号: 03-5856-8239
6. デリカぱくぱく 浅草店(浅草)- 24時間戦う観光地のオアシス
観光地・浅草のど真ん中にありながら、驚異の価格設定で地元民と観光客の双方を支える激安弁当・惣菜店。
- 特徴: 250円弁当を主力に、驚くほど安い価格で満腹になれる。特筆すべきは、ラグビーボールのような**「ドデカおにぎり」**。これ一つで一食が完結するほどのボリュームだ。
- 惣菜も破格: フライドチキンが110円、コロッケが30円など、惣菜の価格も昭和のまま時が止まっているかのよう。
- 立地と客層: 浅草という土地柄、周辺の飲食店で働く人や、安く済ませたい観光客、人力車の車夫など、様々な人々の胃袋を満たす、まさに街のインフラとなっている。
【店舗情報】
- 場所: 東京都台東区浅草1-43-8
- 営業時間: 24時間営業
【西東京エリアの実力派】多摩地区の隠れた名店たち
都心から少し離れたエリアにも、デカ盛りの魂を受け継ぐ名店は存在する。
7. たーとる 羽村店(羽村)- しっとり鶏むね唐揚げの最高峰
西多摩エリアで「唐揚げ弁当」と言えば、必ず名前が挙がるのがこの「たーとる」。派手さはないが、実直な仕事ぶりが光る名店だ。
- 看板メニュー: からあげ弁当(500円)
ここの唐揚げは、一般的なもも肉ではなく、鶏むね肉を使用しているのが特徴。しかし、パサつきは一切なく、驚くほどしっとりと柔らかい。秘伝のタレにじっくり漬け込まれた上品な味わいで、巨大な唐揚げが5〜6個入っていても、飽きずに最後まで美味しく食べられる。
【店舗情報】
- 場所: 東京都羽村市五ノ神1-13-10-102
- 備考: 東福生にも店舗あり。
8. お弁当 茶実(ちゃみ)(高幡不動)- ジューシーさの暴力!肉汁爆弾唐揚げ
多摩地区のデカ盛り唐揚げ弁当界において、西の「たーとる」と双璧をなすのが、東の「茶実」だ。
- 看板メニュー: 唐揚げ弁当(500円)
「たーとる」の上品なしっとり系とは対照的に、こちらはもも肉を使った、ザクザクの衣と溢れ出す肉汁が特徴の、まさに「ジューシーさの暴力」。一つ一つのサイズが尋常ではなく、4個入りの弁当でも蓋が全く閉まらず、輪ゴムで無理やり留められている。冷めても美味しいが、揚げたてをその場で頬張るのが最高だ。
【店舗情報】
- 場所: 東京都日野市南平3-18-23
- 電話番号: 042-594-2277
【番外編】もはや別ジャンル!規格外のデカ盛り店
弁当という枠には収まらないが、デカ盛りを語る上で外せない伝説の店も紹介しておこう。
9. あげもの専門店 俵屋(阿佐ヶ谷)
JR阿佐ヶ谷駅近くの商店街にある、テイクアウト専門の揚げ物店。ここの名物は、もはや弁当のおかずというレベルではない**「俵からあげ」**。その名の通り、米俵のような巨大な鶏もも肉の唐揚げで、一つで大人の拳よりも大きい。1個250円だが、これ一つと白米があれば、立派な一食が成立してしまう。
10. まんぷく亭(東中神)
昭島市にある、学生と自衛隊員の胃袋を満たしてきた定食屋。テイクアウト弁当もやっており、そのボリュームは想像を絶する。「唐揚げ弁当」は、ご飯の上にそびえ立つ唐揚げの山で、もはや蓋をするという概念を放棄している。店内での食事はさらに凄まじく、漫画のような山盛りのご飯は一見の価値あり。
結び:デカ盛り弁当は、東京砂漠のオアシスである
今回紹介したお店は、単に量が多いだけの店ではない。
そこには、**「安く、美味しく、腹一杯になってほしい」**という、店主たちのシンプルで、しかし力強い愛情が込められている。
物価が上がり、世知辛いニュースばかりが目につくこの時代において、彼らの存在は、我々のすききった胃袋と心を温めてくれる、まさに東京砂漠のオアシスだ。
この記事を片手に、ぜひデカ盛りの聖地巡礼の旅に出てみてほしい。
そして、ずっしりと重い弁当を受け取った時、その重みが、店主の優しさの重みであると感じられたなら、あなたの食生活は、きっと今よりも少しだけ豊かになるはずだ。
コメント