カシミールカレーという食べ物がある。店舗によって多少の違いはあるだろうが、基本的にはサッラサラ・シャバシャバの赤or黒みがかったルーにチキンやジャガイモなどが入っている。このルーが激辛。とろみのないルーが激辛というと、コクがなさそうなイメージがするかもしれないが、とてつもない旨味とコクが凝縮されている。ま、一言で言えばめちゃくちゃ旨い。あまり褒めることのない「モヤモヤさまぁ~ず2」の一行がカシミールカレーを食べてべた褒めしていたのを見て、食べたくなった人も少なくないだろう。
ところで「カシミール」とは何だろうか。ここからカシミールの説明が入るので、「食べられるお店だけ知りたいんだよ!」という方は、読み飛ばしOKです。
カシミールカレーとは?
そもそもカシミールとはインドの北部にある地名のことだ。ちなみに西はパキスタン北東部、東は中国の西側に面しているため、その国境付近では度々衝突や紛争があり、あまり治安のよろしいところではない。ヒマラヤ山脈のある山岳地域という土地柄、スパイスをたっぷり効かせた辛い料理で暖を取るという食文化が根付いているようだ。では、件のカシミールカレーの由来は、このカシミール地方かといえば、どうやらそうではないのだという。
カシミールカレーの元祖は創業1956年の老舗インド・パキスタン料理屋「デリー」だ。現在は銀座や東京ミッドタウンなどにも店舗を構えているが上野店が最初の店舗という。ちなみにこちらのお店はカシミールカレーは言わずもがな、とろみの効いた「コルマカレー」やトマトをブレンドした爽やかな「ベンガルカレー」、さらにポテサラが付いた「チキンティカ」など、どれを食べてもハチャメチャに旨い。
こちらの創業者、田中敏夫氏が考案した本格インドカレーがカシミールカレーである。デリーの歴史はこちらの公式HPのURLが詳しい。要約すると、佃煮の製造を手掛けていたが時代の変遷と共に手仕舞い→戦前に商社マンとしてインドやパキスタンに行っていた経験を活かして「デリー」を上野に創業といった流れのようだ。
で、本題のカシミールカレーの由来はデリー2代目社長の田中源吾さんのブログが詳しい。ブログはこちら。要約すると、昭和35年(1960年)に最初は南インド料理は辛いというイメージで「マドラスカレー」にしようとした。が、メニューを印刷するときに「カシミールカレー」と記入してしまい、以後、カシミールカレーを使うことになったのだという。
ひょんなことから生まれたカシミールカレーという名前のようだが、今ではすっかり定着。カシミールという名前を聞いただけでも唾液が出てくるというカシミールファンも少なくないだろう。
ちなみに、創業者の田中敏夫氏に師事し、その後、独立開業といったお店も少なくない。その一つが、柏にある「ボンベイ」だ。こちらのカシミールカレーも絶品。現在のオーナーが一度なくなってしまったボンベイを復活させたようで、その熱量が感じられる熱いカレーとなっている。食後のデミタスコーヒー、ばかうま。松戸にもあるのでお近くの方はぜひ。
東京都内でカシミールカレーが食べられるお店
というわけで、東京でカシミールカレーが食べられるお店を紹介していきたい。元祖カシミールカレーを食べるなら上野デリーということになるかもしれないが、デリーで修行した料理人の方が暖簾分けという形で独立開業したお店も存在している。
デリー 上野店
カシミールカレー発祥のお店。こちらのカシミールカレー(1000円)は、ホット、ベリーホット、ベリーベリーホットの三段階から辛さを選べる。チキンが基本だが、日替わりで食べられる牛ほほ肉のカシミールカレー(月曜・1300円)も肉の旨味がガツンとくる絶品の一皿。
前述したようにコルマカレーやチキンティカなど、どれを食べても一流の美味しさなので何度でも足を運びたくなるお店だ。行列していることが少なくないが、回転が悪くないので比較的スムーズに入れるように思う。
【住所】東京都文京区湯島3-42-2
【電話番号】03-3831-7311
【営業時間】11:50~21:30(ラストオーダー)
【食べログURL】https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13003605/
デリー 銀座店
カシミールカレーやデリーカレーといったスタンダードなものは、もちろんこちらの店舗には女性やカップル限定の「ラブリーコース」や銀座デリーディナーコースなどコースも用意されている。カウンターで黙々とカレーをかきこむのも良いが、本格インド料理をわいわい食べたいという時には打ってつけのお店といえるだろう。
【住所】東京都中央区銀座6-3-11 西銀座ビル 3F
【電話番号】050-5571-4620
【営業時間】月~金 11:30~21:30(店内ラストオーダー21:30) 土日祝 11:50~21:30(店内ラストオーダー21:30)
【食べログURL】https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13002616/
デリー 東京ミッドタウン店
テイクアウトで利用する人も多いようだが、もちろん店内でも食べられる。時間がないときでもササッと本格的なカレーが食べられるため忙しいビジネスマンにも好評のようだ。こちらの店舗限定のビーフカレークラシック(1200円)もおすすめ。
【住所】東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン
【電話番号】03-5413-7278
【営業時間】11:00~21:00(L.O. 20:40)
【食べログURL】https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13154183/
新川デリー
カレー納め、間に合った。カシミール。 (@ 新川デリー in Chūō, 東京都) https://t.co/iUPBoYdxhH pic.twitter.com/q02BprFUfv
— りかぞう(‘jjj’) (@izmrk) 2017年12月29日
デリーの暖簾分け店。カシミールカレー(970円)やコルマカレー(970円)はもちろん、いわゆる欧風カレーのコンチネンタルカレー(920円)も人気。こちらの店舗ではストロングカシミールカレー・ハバネロカシミールカレー・ハバネロホットカシミールカレー(各1080円)など、激辛好き垂涎もののカレーも提供している。その時期によっても変わるだろうが、砂肝マサラ、ねんこんバジィといったサイドメニューも豊富。月別の新作カレーも充実している。
【住所】東京都中央区新川1-28-35 鳴門ビル1F
【電話番号】03-3297-8922
【営業時間】[月~土]11:00~22:00
【食べログURL】https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130203/13000644/
まとめ
カシミールカレーの由来や東京都内で食べられるお店を紹介してきた。近くにお店がない!という人は、アマゾンなどでお取り寄せしてみてはどうだろうか。
何にせよ、その辛さと旨味にハマる人はめっぽうハマるので、ぜひ一度食べてみてほしい。
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