卵かけごはんが好きだ。子どもの頃から好きだった。手元不如意かつ栄養価が高いので大人になってからも好きだ。
しかし、たまーに卵かけご飯を食べた後に猛烈に気持ち悪くなる。口のわきから唾液がにじみ上がってきて、胃の中のものを全てもどしたくなってくる。本当にたまーに。普段はなんともない。
なぜ、卵かけご飯を食べるとたまに気持ち悪くなってしまうのだろうか? というか、そもそもこれは私だけだろうか?
調べてみた。
卵かけご飯食べただけなのに気持ち悪すぎて食欲なくなった
— アミ (@ami_takiyama) 2017年7月29日
生卵食べたら突然気持ち悪くなって吐いた
生で食べる卵かけご飯とかもう食べたくない— けつ@キタナイ (@stnl_z) 2017年5月19日
卵かけご飯ここ数年食べてないなと思ったら数年前食べた時吐いたからだった そろそろ食べれる大丈夫だ私は強い
— 柏木わぎ (@kasiwagi_wagi) 2016年3月23日
卵かけご飯食ったら履きそうになって玄関で吐いた
— figofigo1231@R6S (@R6S_figo) 2015年11月25日
卵かけご飯食べたら気持ち悪くなったわ、吐きそう…。
— きりたん (@kiritan_25) 2017年10月19日
どうやら私だけというわけではなさそうだ。原因を調べてみた。
なぜ、玉子かけご飯を食べると気持ち悪くなるのか?
①サルモネラ菌?
卵系でピンとくるのが、サルモネラ菌。この菌のせいだろうか?
サルモネラ菌は食中毒を引き起こす代表的な病菌だ。特に感染しやすいのが卵製品や乳製品。1gあたり1万個以上のサルモネラ菌が繁殖した食物を摂取すると人間にも感染するといわれている。症状は激しい腹痛や嘔吐、下痢、発熱など。
ところがこの菌の潜伏期間は半日から2日間ほどだと言われている。加えて、卵かけごはんを食べて気持ち悪くなるときには、下痢や発熱といった大層な症状はでない。純粋に気持ち悪くなるだけだ。食べてすぐ、かつ気持ち悪くなるだけなのでサルモネラ菌が原因ではなさそうだ。
②卵アレルギー?
食べた後にすぐ吐き出したくなる=体が拒否反応を起こしている=アレルギー?
アレルギーとは体内に異物が侵入してきたときに排除しようとする免疫システムのことだ。このシステムに問題が生じたりすると、本来は吸収すべきものさえも異物として認識し撃退しようとしてしまう。これが食べ物アレルギー。卵アレルギーはその代表格。
では、その卵アレルギーにかかってしまったのだろうか? 卵アレルギーというと幼児がかかるイメージが強いが、運動不足やストレスなどが原因で腸内バリアが破壊されて、まれに大人になってから発症することもあるという。
私の場合、ゆで卵や卵焼きなど加熱済みのものであればいくら食べても平気。だから違うのかな? とも思ったが、生卵やメレンゲ、マヨネーズなど、生か生に近いものほどアレルギーが出やすいのだという。さらに、卵を食べてから30分以内に発症することが多いというから、発症条件は一致している……。
しかし、その症状は、蕁麻疹、下痢、嘔吐、まれに呼吸困難や血色不良である。吐き気がするだけで蕁麻疹や下痢、ましては呼吸困難などになったことはない。アレルギー症状が割りと軽くて嘔吐だけ、という可能性も考えられなくはないが、なぜたまーにだけなのか? という説明がつかない。100%ないわけではないが、アレルギーの可能性は低そうだ。
③卵が傷んでいた?
卵かけご飯にした卵が腐っていたり傷んでいたりしていたのだろうか?
しかし、卵はいつも賞味期限以内に食べるようにしている。卵パックに表示されている賞味期限とは、生で食べられる期限だそうだ。この期限以内に食べているのだが、たまたま口にした卵が腐ってしまっていたのであろうか?
調べてみると以前、「ためしてガッテン」で4カ月前に賞味期限の切れた卵を割ってみるという実験をしたことがあるそうだ。結果は、腐っていなかったという。理由は、卵の殻と卵膜によって雑菌の侵入を防いている、卵黄が殻にくっついて雑菌が付着しないようにカラザが卵黄を中央に保っている、といったことだそうだ。つまり、何となく早く傷むイメージがある卵は、案外かなりもつということ。
しかし、運悪く、雑菌に感染してしまった卵だったという可能性もなくはない。事実、卵のなかには稀に雑菌を含んでしまっている卵黄もあるそうだ。
ところが、その確率はなんと3万個に1個という。1日1個の卵を食べて、実に82年に1回という確率。つまり、たまーに起こるという発生条件に当てはまらない。
賞味期限以内に食べている、かつ、冷蔵庫に入れていれば卵は中々痛まないということを鑑みれば、卵が腐っていたという可能性も低いだろう。
④噛まずに食べることで起こる消化不良
何か食べるときには咀嚼をする。咀嚼をすると消化吸収作用を高めてくれる唾液が出てくる。特に唾液に含まれているムチンという成分は濃い粘り気を持っているので、胃と食べ物間に生じる摩擦を防いでくれる。簡単に言えば、胃に粘膜を貼って胃の負担を軽減してくれる。
さらに、咀嚼をすると脳が食べ物を食べていることを認識し見合った胃液を分泌するという。
つまり、食べ物を噛むことで、胃の負担を軽くする唾液と消化するための胃液が出てくるわけだから、この咀嚼という行為が非常に重要になってくるわけだ。
ここで卵ご飯の特徴を考えてみる。ずるずるだ。飲めるんじゃないかってぐらい噛む必要なく胃に送り込めてしまう。意識して噛もうと思ってもずるずるのものを噛む習慣がないため、反射的に飲み込んでしまいがち。消化の準備が整っていない状態で胃に食物が入ることで消化不良を起こしてしまう。すると胸のむかつきや気持ち悪さ、吐き気といった症状が出てくるわけだ。
整理すると、「卵ご飯ずるずる」→「噛む必要ないや」→「胃が消化する準備をする前に食べ物が入ってくる」→「消化不良で気持ち悪さや吐き気が起こる」というわけだ。
この仮説は中々納得のいくものだ。さらに、風邪や過労、ストレス過多といった状態だとさらに胃の働きが弱まるという。そうした状態で卵ご飯を食べれば、さらに気持ち悪さや吐き気を引き起こしやすくなるだろう。
予防法・対処法・まとめ
予防法
胃が動く準備を整えるためと唾液の分泌を促すために、コップ1杯から2杯ほどの水を摂取。
よく噛む。
対処法
食べてからすぐに横にならない。(胃酸の逆流による吐き気を防ぐため)
卵ご飯はずるずるだからよく噛んで食べた後はすぐに横にならないという当たり前の結論に至ってしまった。しかし、当たり前とは世の中の常識になっているほど重要なことだ。
気持ち悪くなるからという理由で卵かけご飯を嫌いになり、その選択肢がなくなってしまえば、貧困にあえぐ私にとっては大打撃だ。当たり前のことをきちんと守って楽しい卵かけライフを送っていきたい。
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