普通の美容室や床屋にはここ10年行っていない
1000円カットでおすすめの注文方法や髪型を紹介する。ここ10年ほど美容院や個人経営の床屋さんには入っていない。別に毛嫌いしているわけではなく、お金がないから1000円カット以外の選択肢がないのだ。
一昔前の1000円カットといえば、イコール「QBハウス」のことだった。ものの10分、20分でカットしてくれて最後はどでかい掃除機のような吸引器で髪の毛を吸われて終了。忙しいサラリーマンや私のような金欠者に人気だったが、腕前の方は1000円なりのものだったように記憶している。
が、最近の1000円カットはQBハウスを含め他店も、上達してきているように思う。しかし、まれに「あれ? これ合ってる?」と思うことがある。そんな失敗をしないよう、おすすめの注文の仕方や髪型をまとめてみた。
1000円カットのメリットを整理
まずは1000円カットのメリットを紹介したい。価格が安い、スピードが速い、駅などに近く行きやすい場所にあるといったことは周知なので省略する。
●メリット1 1000円だからといって別に下手な美容師や理容師が切るわけではない
巷には髪を切るだけで3000円や4000円、下手をすれば万超えなんてしゃれしゃれ美容室がゴロゴロしている。そんな美容室と比べて価格が格段に安いため、下手な人たちが集まるところなのか? と思ってしまう。だが、そのようでもなさそうだ。
なんでも、1000円カットで働いている方々は、
「美容室は薄給なので給料面が良い1000円カットで働いている」
「普段はヘアアーティストやヘアメイクを生業としているが、毎日仕事があるわけではないので、副業として1000円カットで働いている」
「介護や子育て等の家庭の事情で美容室勤務ができなくなったので、時間の融通が効く1000円カットで働いている」
「昔いた美容室がいやで辞めたが他の美容室に新人として行くのは嫌だから1000円カットで働いている」
といった人たちが少なくないようだ(もちろん、人それぞれ理由はあるだろうが)。だから、6000円の美容室とくらべて6分の1の腕前ということではない。
強いていえば、ビジネスモデルの違いといえるだろう。6000円取る美容院は、カット、ブロー、シャンプー、ドリンクの提供、フェイスマッサージ、ヘッドマッサージ、トリートメントといったサービスで、1時間ほどで6000円の対価をもらう。対して、1000円カットはパーマやカラーリングといった時間のかかるサービスは受け付けず、基本的にはカットのみで、1時間で約6名の客を回して6000円を稼ぐ。つまり、何を提供してどうお金を貰うかの差であって、腕前の差ではないといえるだろう。
●メリット2 会話が少なくて済むので、コミュニケーションが苦手な人にとっては嬉しい
昔、美容院に行っていた時には、失礼だが美容師の方との会話が苦痛であった。何を話してよいのかわからないのだ。友達でも上司でも家族でもない、美容師と客という関係。決して友達のようには振る舞えないし、かと言って短くない時間を過ごすだけに、牛丼屋の店員と対するときのよにシステマチックにも対応できない。この、馴れ馴れしくはないけど、付かず離れずの微妙な関係における当たり障りない会話というのが難しいのだ。
その点、1000円カットであれば、その心配はない。無論、10分強でカットが終了するからだ。店員の方も、無駄な話で回転率を落としたくないだろうし、何より、美容院では自分を指名してくれるお客さんになってもらいたいがために、無理にでも話を弾ませようとする傾向があるが、1000円カットでは基本的に指名制はない。だから、店員の方もシステマチックに対応してくれることが多いのだ。私のようなコミュニケーション皆無人間からしたら嬉しいメリットである。
同じように美容院はどうしても緊張してしまうという人にも1000円カットは向いていると思う。中には、極度の緊張や神経症で、美容院では首が震えてしまうという人もいる。本態性振戦というもので、何かを書くときに手が震えてうまく書けなかったりするのと同様、美容院や床屋で、髪を切ってもらっていると、緊張して首がブルッと震えてしまったり、小刻みな震えが止まらなくなってしまうのだという。緊張による体の硬直も原因の一つだというから、1000円カットであれば、「すぐに終わるから大丈夫」と過度な緊張も軽減されるのでないだろうか。
主なメリットを紹介してきた。メリットだけ紹介するのも不公平なのでデメリットも紹介したいと思う。挙げられるのは、「予約ができない」、「指名ができない」、「混んでいることがある」といった点だろう。「予約ができない」、「混んでいることがある」というのは、1人に対して10分前後で終わるだけに、それほど苦痛に感じたことはない。券売機を導入しているところも多く、券を受け取り、待ち時間によっては近所で野暮用を済ますことだってできる。どうしても気になるという人は、店舗によっては混雑状況を確認できるところもあるので、事前にチェックしておこう。「指名ができない」のは仕方がない。割り切ろう。
失敗しないための注意点やポイント
失敗しないために押さえておくべきポイントを紹介する。
ポイント1 帽子やヘアゴム・ヘアバンドなどはしない!
以前、私が髪を切っている横で青年が言われていた。「お客さん、帽子かぶると跡がついちゃうんで切りづらいんですよ~」と。多感な時期の青年にそんなこと言ってやるなよとも思ったが、理美容師の方からすれば、髪がぺちゃんこになることで、長さが違ってきたり、全体の毛の流れを把握するのに苦労するのだろう。
髪を切り終わったあとは、何となく気恥ずかしいから帽子をかぶりたくなる気持ちもわかる。が、待ちゆく人は自分が髪を切りたてなんてことは知る由もない。帽子はやめておこう。同じ理由でヘアゴムやヘアバンド、カチューシャなども跡がついているのか、もともとも癖なのかわかりにくくなってしまうのでやめた方が無難。また、パーカーを着ていくと、フードの部分が邪魔で理美容師の方が切りにくくなってしまうこともある。絶対ダメというわけではないが、これもやめた方が無難といえる。
ポイント2 ワックスやスプレーなどの整髪料をつけない!
美容院や床屋では切る前にシャンプーをするかもしれないが、1000円カットは基本的にシャンプーはない。スタイリング剤ベタベタでいくと、本来の髪型が分からず左右非対称なんて仕上がりになってしまうこともある。同じ理由で、寝癖ガッツリもやめておこう。ガッツリ寝癖は少量の水を霧吹きしたところで直らない。1000円カットに行く前は、シャワーを浴びてドライヤーで乾かしてから行くのが良いだろう。
ポイント3 髪型や注文の仕方は具体的に!
事前準備は上記で終了。いよいよ入店。ここが最も大事なポイントとなる。やってほしい髪型や注文がより具体的に言おう。面倒くささや気恥ずかしさが先行して「おまかせで」なんて言ってしまう人もいるだろうが、あまりおすすめできない。理美容師さんは、おまかせでと言われても、お客の深層心理にある理想の髪型を探り当てることはできないだろうし、結局、「耳は出しますか?」、「前髪こんな感じですか?」、「刈り上げますか?」などと聞いてくることになる。であれば、事前に具体的に伝えておいた方が良いだろう。以下を伝えれば十分だ。
●まずは全体的にどれぐらい切るのか伝える
人に何かを伝えるときには、まず全体像や相手が気になるであろう部分を伝えるべき。自分ではこのくらい切ってほしいと分かっていても、理美容師さんにはガッツリ切りたくて来たのか、調整程度でいいのか分からない。だから、まずは全体をどのくらい切るのか伝えよう。
例えば、「全体的に2、3cm切ってください」といった具合だ。
●前髪と横の髪と後ろの髪
全体像を掴んでもらったら今度は細部へ入っていく。具体的には前髪と横の髪(もみあげや耳周り)と後ろの髪(襟足)だ。
例えば、
「前髪は眉毛の上らへんまで」「前髪は、切らなくていいです」
「横は耳を出すぐらい切ってください」「横は耳にかかるぐらいで。もみあげはあまり切らないでください」
「後ろは全体と合わせて自然な感じで」
といった具合だ。
●刈り上げるのか否か、髪をすくのかすかないのか
最後にいわばオプションと言うべきものを伝えよう。
例えば、
「刈り上げないでください」「横は9mmに刈り上げてください」
「ボリュームが多いので髪をすいてください」「髪はすかなくていいです」
といった具合だ。
以上の点を踏まえて注文してみると
「全体的に3、4cm切ってほしくて、前髪は目にかからないくらい。横は耳を出して、後ろは全体と合わせて自然な感じ。あ、刈り上げないでください。あとボリュームが多いので多めにすいてほしいです」
といった感じだ! 結構長い。これを覚えたり、長々と喋りたくないという人もいるだろう。そういう人は、全体的な話と後ろ髪は省いてもなんとか伝わる。つまり、
「前髪は目にかからないくらいで、横は耳を出してください。刈り上げなくていいです。多めにすいてください」となる。
この注文の仕方で押さえるべきポイントは押さえているといえるだろう。
また、自分でやってほしい髪型がある場合は、それを言ってもよいだろう。例えば、
「横や後ろは6mmに刈り上げてソフトモヒカンにしてください」
といったものだ。とはいえ、ソフトモヒカンぐらいであればよろしいかもしれないが、アシンメトリーやツーブロックなど手の込んだ髪型は普通の美容院に行ったほうがいいかもしれない。ネットに思っていたのと違うという声もある。アシンメトリーやツーブロックといった髪型をしたい人は、ある程度、こうしてほしいという理想像があって、それにどれだけ近づけていけるかという作業になると思うが、いかんせん1000円カットは10分前後で切ることを信条としているだけに、逐一話し合ってということにはならない。その人の理想像(カットモデルの写真など)があっても、モデルとの髪質の違いで、そのまま切っていくと理想にならないことが少なくない(モデルは柔らかい毛だが、自分は硬い毛だったの、ツンツン頭になってしまったなど)。それを回避し少しでも理想に近づくために美容師さんと話しながらやっていくわけだが、1000円カットはそれが中々できないというわけだ。今風のオシャレな髪型を目指すのであれば、2、3000円多く払って、美容師さんに髪型のカタログや写真を見せて相談しながらやっていった方が無難だろう。
まとめ
1000円カットに行くときの注意点をおさらいする。帽子をかぶらない。整髪料をつけない。注文は具体的にだ。
最後に1000円カットを利用した方々の声を紹介する。
金欠で美容院代ケチって1000円カットのところ来たけど、案外良い。親切だし。
— ピュアホワイト企業先生 (@AwaremiNo) 2017年10月6日
美容師と会話したくないので1000円カット行く人間
— 他称だいがくちぇい (@nanikana_na) 2017年9月26日
初めて1000円カットで切ってもらったんだけど、安いし早いし良かったよ~👍行きつけの美容院は高いし遅いし、その上下手だし…😅ちょっと短くしたいときなんか此処で切ってもらう✂
— みらん (@mikimausu0505) 2017年9月25日
1000円カットやのにあのおばちゃんめっちゃ丁寧にやってくれて幸せだった
— わんたん (@WantanKoemane) 2017年9月25日
散髪をすると気も晴れやかになる。1000円カットに行く際には、紹介した注意点や注文の仕方を押さえて足を運んでみてほしい。
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