【結論】Excelでワイルドカードを使いこなすための解決策は、関数の特性に合わせて「検索値」または「条件」の引数に特殊記号(*や?)を組み込み、必要に応じて「一致モード」を指定することである。
具体的には、SUMIFSやCOUNTIFSでは条件引数に直接"*キーワード*"と記述し、最新のXLOOKUPでは第5引数(一致モード)に2を指定することで、あいまいな検索が可能になる。2026年現在のExcel(Microsoft 365およびExcel 2024以降)では、従来のワイルドカードに加え、より高度な正規表現(REGEX関数群)も標準実装されており、データ集計の柔軟性は飛躍的に向上している。
背景と読者が抱える悩み
大量のデータを管理する際、「正確な名称はわからないが特定の文字を含む行だけを合計したい」「型番の一部だけを頼りに価格を引き出したい」というシーンは頻繁に発生する。しかし、多くのユーザーはデフォルトの「完全一致」検索に依存しており、表記ゆれ(例:「株式会社」の有無、全角・半角の差、スペースの混入)によって正しい集計結果が得られないという悩みを抱えている。ワイルドカードおよび最新の正規表現機能をマスターすることは、手作業によるデータクレンジング時間をゼロにし、集計ミスを根絶するために不可欠なスキルである。
1. Excelで利用できるワイルドカードの種類と役割
2026年現在のExcelにおいて、検索や関数内で使用できるワイルドカードは以下の3種類である。これらはすべて半角で入力する必要がある。全角で入力すると、単なる文字として扱われワイルドカードとして機能しないため注意が必要だ。
- *(アスタリスク):0文字以上の任意の文字列を表す。例えば「東京*」は「東京」「東京都」「東京本社」のすべてに一致する。
- ?(クエスチョンマーク):任意の1文字を表す。例えば「商品??」は「商品A1」には一致するが、「商品A10」や「商品1」には一致しない。
- ~(チルダ):ワイルドカード文字自体(*や?)またはチルダ自体を検索したい場合、その直前に置くエスケープ文字。例:
"~*"、"~?"、"~~"
2. 【関数別】ワイルドカードの具体的な操作手順
① SUMIFS・COUNTIFS関数での手順
特定の文字を含むデータを合計・カウントする場合、条件式にワイルドカードを組み込む。これらの関数はデフォルトでワイルドカードを解釈する設計となっている。
- 数式を入力するセルを選択する。
=SUMIFS(合計対象範囲, 条件範囲1, "*キーワード*")の形式で入力する。これにより「キーワード」をどこかに含むすべての行が合計される。- セル参照を利用する場合は、
"*"&A1&"*"のようにアンパサンド(&)で結合する。"*A1*"とダブルクォーテーション内に入れると「A1」という文字列そのものを探してしまう。
② XLOOKUP関数での手順(2026年現在の標準)
XLOOKUPで部分一致検索を行うには、引数の明示的な設定が必須である。VLOOKUPと異なり、デフォルト(省略時)は「完全一致(0)」であるためだ。
=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り範囲, [見つからない場合], 一致モード)を入力開始。- 検索値に
"*"&A1&"*"(A1セルの値を含む場合)を指定する。 - 最重要: 第5引数の「一致モード」に
2(ワイルドカード一致)を入力する。 - 数式例:
=XLOOKUP("*"&D2&"*", A:A, B:B, "未登録", 2)
③ VLOOKUP関数での手順
互換性のためにVLOOKUPを使用する場合の手順は以下の通り。
=VLOOKUP("*"&A1&"*", 範囲, 列番号, FALSE)と入力する。- 第4引数(検索方法)は必ず FALSE(または0) を指定する。TRUE(近似一致)を指定するとワイルドカードは意図通りに動作しない。
3. 2026年最新:正規表現(REGEX)による高度な集計
Microsoft 365およびExcel 2024以降では、従来のワイルドカードよりも強力な正規表現(Regular Expression)が標準関数として利用可能だ。複雑なパターン(「数字3桁から始まる」「特定のドメインのメールアドレス」など)で集計・抽出したい場合に活用する。
- REGEXTEST関数:指定したパターンに一致するかをTRUE/FALSEで返す。
FILTER関数と組み合わせて「特定の複雑なパターンを含む行のみ抽出」する際に多用される。
例:=FILTER(A1:B10, REGEXTEST(A1:A10, "^[0-9]+$"))(数字のみの行を抽出) - REGEXEXTRACT関数:文字列の中から特定のパターンに合致する部分だけを抜き出す。
- XLOOKUPの一致モード「3」:2026年現在の最新アップデートにより、XLOOKUPの第5引数に
3を指定することで、検索値に正規表現パターンを使用できる。これにより、従来の「*」では不可能だった「特定の文字種を限定した曖昧検索」が可能になった。
4. エラー解決策と注意点
ワイルドカード使用時に発生しやすいエラーと、実務上の解決策は以下の通りである。
- #N/A エラー(XLOOKUP):一致モードに
2または3を指定し忘れていないか確認せよ。デフォルトの「0」ではワイルドカード文字をただの記号として扱うため一致しなくなる。 - 数値データへの不適合:ワイルドカードは文字列に対してのみ機能する。セルに入力された「123」が「数値」形式の場合、
"*1*"で検索してもヒットしない。この場合、TEXT(A1, "0")等で一度文字列に変換するか、検索範囲自体を文字列形式にする必要がある。 - データ末尾のスペース:一見一致するように見えても、データの末尾に不可視のスペースがある場合、
"キーワード?"(1文字指定)などの検索では不一致となる。TRIM関数で余計なスペースを除去してから処理するのが鉄則だ。
5. 便利なショートカットと操作パス
関数を使わずに画面上で直接、ワイルドカードを用いたあいまい検索を行う手順:
- 検索ダイアログの起動:
Ctrl+F - 操作パス:「ホーム」タブ > 「編集」グループ > 「検索と選択」 > 「検索」。
- 詳細設定:「オプション」ボタンをクリックし、「セル内容が完全に一致するものを検索する」のチェックを外す。ここにチェックが入っていると、
*を使用しても「セル全体がアスタリスクで囲まれた内容」としか一致しなくなる。 - 数式引数のヒント挿入:数式入力中に
Ctrl+Shift+Aを押すと、関数の引数名が自動挿入され、どこに「一致モード」を入力すべきか視覚的に確認できる。
Excelの複雑な数式や膨大なデータ集計をワイルドカードや正規表現で処理する際、ハードウェアの処理能力が追いつかず、再計算に時間がかかることはないだろうか。もし最新のExcel機能(REGEX関数等)を多用する中で動作の重さを感じているなら、それはPCのスペック不足が原因かもしれない。高品質な再生PCを専門に扱う「Qualit(クオリット)」では、法人向けのハイスペックな端末を厳格な検品のもと、手頃な価格で提供している。最新のMicrosoft 365環境をサクサク動かせる環境を手に入れ、実務の生産性をさらに向上させてほしい。
まとめ:2026年における「あいまい検索」のベストプラクティス
Excelにおけるワイルドカード(*や?)は、現在もなお「直感的で迅速なデータ抽出」において最強のツールである。しかし、2026年の実務においては、単にワイルドカードを覚えるだけでなく、以下の3点をセットで運用することが求められる。
- 結合の徹底:セル参照と組み合わせる際は必ず
"*"&セル&"*"の形式をとること。 - XLOOKUPへの移行:VLOOKUPではなく、一致モード
2を備えたXLOOKUPを第一選択とすること。 - REGEXの活用:ワイルドカードで解決できない複雑なパターン(文字種の限定など)には、最新の
REGEXTESTなどの正規表現関数を導入すること。
これらの手法を使い分けることで、データの表記ゆれに左右されない、極めて堅牢な集計シートを構築することが可能になる。
👇 作業をさらに効率化する周辺機器・専門書をAmazonでチェック

コメント